ラオスの首都ビエンチャンはメコン河に面している。その河向こうはタイの国である。一国の首都が目を上げれば隣国が見えるような所に位置しているのは私には驚きであった。ホテルからタクシーの運転手に頼んで朝一番に連れて行ってもらったメコン河であるが、運転手は河向こうはタイであるといとも簡単に言う。
(写真：ビエンチアンにて朝のメコン河、写真をクリックするとアルバムが表示されます）目次(フレームに切替）
１．旅のはじめ
２．ビエンチアン
３．ルアンパバーン
４．メコン河の船旅
５．ルアンパバーン散策
６．再びビエンチアンに
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1. 旅のはじめ
昨日タイ経由でラオスに入ったが、タイのバンコックで５時間ほど乗り換えの時間を費やしてビエンチャンに向かった頃はもう日没を過ぎていた。バンコックの賑やかな街の灯かりを見ながら飛び立ったが、夜間のフライトで眼下に街の灯火が輝いて見えるのはタイの領国までである。飛行機は高度を下げて行くが、灯かりの数は一向に増えないままビエンチャン郊外の飛行場に着陸していた。ホテルまでは車で５米ドルという。ホテルの名前を告げたら遠いから足りないとか言ったようであるが聞こえない振りをした。そのかわりにその運転手には今日ルアンパバーンに立つまでの半日市内観光を２０米ドルでしてもらうことにした。ホテルは確かに郊外であった。市内の少し賑やかな通り、といっても田舎町の通り道を想像した方がよいと思うが、を抜けてさらに行き、門構えも貧弱な所に車を停車してここが目的のホテルであると告げられた。マレーシアの旅行社に航空券と同時にホテルも頼んでいたのであるがホテルには全然連絡はいっていなかったようである。旅行社への支払書を見せてホテルから連絡をとってもらうことにした。一泊分として、マレーシアなら４つ星には泊まれる５０米ドルの支払いであったがここではバスタブもなくシャワーだけである。どうやら航空券しか扱っていないマレーシアの旅行社に少しぼられたようである。空港から送ってきてくれた運転手は英語は全く駄目であるがホテルのおばさんが通訳をしてくれて、今日の市内観光のスケジュールが決まった。このバンサナホテルに置いてあったパンフレットの中に辛うじて簡単な市内地図をみつけた。これでなんとか見学する所の目星がつけられる。朝食は６時半からというので今日の観光の出発は７時にした。それで早速メコンの河縁りに連れて来てもらった次第である。
（写真：ビエンチアンの対岸はタイ、国境にかかる橋、ルアンパバーンにてメコン河の上り、下り）
メコンといってもラオスでは山間地を流れているので河幅は数百米程のかわりばえもしない河である。しかしラオスの台地から下流のカンボジアの平野にそそぐ所では横幅が十数ｋｍ、高さも２５ｍあるコーンの大瀑布群になるという。さらに下流ではブノンペンに達し雨季には支流を遡ってアンコールワットのあるシムリアップ湖を何倍にも押し広げる。最後にベトナムでは広大なデルタ状の河口洲を作る。ビエンチャンからは遡ってミャンマーを経由し中国雲南省に至る。今回の旅の目的地は旧王都のあったルアンパバーンである。ここもメコン河に面している。
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