６日目の朝５時頃に洗面をしていると車掌がギザ駅で降りるように言う。終点で旅行社の人が待っているものと思い込んでいたが、ギザ駅は終点の一つ前である。切符もカイロまでとなっている。しかし、乗った時旅行社の人が車掌と話をしていたことを思い出し従うことにした。はぐれても旅程のホテルまではゆける。ギザはスフインクスとピラミッドの近くである。あるいはここから早朝に直接見物に出かけるのだろうかなど考えながら出口に向かうと、キヨシ？と問い掛けてくる人がいた。旅行社の出向かいである。あやうくすれ違いになる所であった。まだ夜明け前である。ギザ駅から都心のホテルに向かった。途中パスポートはと聞かれ、クルージング船に乗る時にパスポートを渡してそのまま来てしまったことを思い出した。どうして取り返そうかと思案しはじめたら、パスポートはもうホテルに着いていると言う。結局パスポートを人質にしていたのだと気付く。コスモポリタンホテルはカイロ新市街の中心近くにあるが一流ではない。旅行社の人は今度はパスポートを忘れないように、またガイドは９時半に来るからと言い残して去って行った。
写真：未明のギザ駅、早朝のカイロ市街、ガイド
ホテルの案内された部屋は裏窓である。通りの見える部屋に変えてもらった。ロビーでアメリカのテロ攻撃のその後の状況を知る為にドアマンに買ってきてもらった英字新聞を読んでいると、若い女の子がじっと見つめている。ハローと声をかけたらＷｉｎｇｓ？と問い掛けて来た。旅行社の名前である。こんな若いこがカイロのガイドであった。エジプトもガイドの資格所得は難しいらしい。資格審査に受かって３年の実務経験の最中であるとか。年は２４歳。ただし既に結婚していて自分と夫の名を裏と表にヒエログリフで刻んだペンダントを下げている。カイロの旅はこのガイドとドライバー付きで始まった。早朝降りたギザ駅の方に再び向かう。古代遺跡は全てこのギザの周辺にある。
写真：古代都市の遺跡メンフィスのスフインクス、屋外遺跡、ラムセス像
写真：サッカラーの初期ピラミッド、ピラミッドを塀囲いにした入り口遺跡、ヒエログリフのあるピラミッド
最初に訪れたのはメンフェス。かっては広大な王都であったようであるが今は小さな公園といった感じである。後世につくられたラムセス像が倒れたまま鞘堂に展示されてある。公園には小さなスフインクスと幾つかの発掘品が並べられてあった。どの遺跡見物も入場料の他にカメラとビデオの持ち込み料をとられる。ガイドはちゃんと台数分だけはらってという。２台の料金を払ったが、小さな遺跡公園でありもう日は高く屋外の撮影には適さず、小さいカメラ一台だけで十分であった。次は最初にピラミッドが作られたサッカーラである。あまり大きくはない日干し煉瓦を積み上げたようにつくられてある。また、ピラミッドの周りには貴族などの培葬墓が散らばっている。ピラミッドは歩いて簡単に一周できた。サッカーラからの途中絨毯織の学校に案内された。ここも小さな子供が働いている。買う気もなかったので早々に引き上げた。
写真：カーペット学校、昼食のレストラン
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