これが市内の真ん中を流れる川、なんてきれいな所なんだろう！
飛行機の中は日本の団体客で一杯、ヴェトナムとバンコク経由のツアーに参加したとか、離れ離れになった連れ合いに席をゆずって、独り者のおばあさんと話し込む。ほとんどが年金暮らしと見える。豊かな日本だ。
飛び立って一時間少々。シムリアップ川上流のトレンザップ湖をよぎるとすぐに着陸体制になる。４時少し過ぎに到着。空港に名前札をかかげた旅行業者が大勢待ち構えている。驚いた事に私の名前がそこにある。プノンペンの空港で立ち話した男が連絡してたのだ。ホテルはマレーシアで予約済みのバイロンホテル。一応四つ星とか。インターネットでは日本の上智大学のアンコールワット補修斑の常宿とある。
タクシーの運チャンとはホテルまでとまだ陽が高いので、小休憩のあとアンコールワットまで連れてってもらうことにする。明日は一日観光で２５米ドル支払うかわりに本日は５米ドルに値切る。舗装のはげた路をシムリアップのホテルまで約３０分。途中観光客のために建設中というホテルがいくつかある。観光客の増加に追い付かないのだ！小さな川を渡ってホテルに着く。辛気臭いホテルだが戦火をくぐった所にしては良いほうか。。薄暗いホテルの階段を上がろうとすると段差が違う。。でもトイレは一応水洗だから上出来。西日が部屋にはすに差し込んでやたらに暑いが、窓からの川景色は美しい。これが都市か？ 農村そのものの美しさが目の前にある。
川向こうは人家やお寺が立ち込んで喧騒が聞こえて来るが緑を一杯にに写した川は深山かとまがうほどである。これがプノンペンでみた大きなあか土色のシムリアップ川の上流である。リュックと紙袋だけであるが荷物をおいて宿をでる。川の橋から次の橋が見えたので一周してみる。ホテルの回りのお店をみながら橋をわたる。橋のふもとの欄干に頭が五つのコブラの飾りがあり、職人が壁を塗るようにこてで修理している。橋を渡り着るとお寺がある。西洋人の女の子の一団が、見物し終わったのか寺の境内からでてくる。もっともそんなに大きな寺ではなく一目みれば終わるようなところではある。お寺をすぎると途端にそれとわかる遊女街。若い子が所在なげにたむろしている。さらに通りをよぎると商店街。とはいってもテントがならんでいる程度。テントでない店もあるけれど。。これで次の橋を渡ってホテルにもどる。川は波一つなくただ静かに緑を写す。
先程の運チャンがホテルの前で待ってる。ホテルに若い女性が入ったかと思うと直に出て来る。すらっとした知的な面差しに会釈をすると会釈が帰ってくる。運チャンが怪訝な顔で知り合いか？とたずねてくる。外国人と見て微笑み返したのだろう。田舎町市と呼んだほうが良いかもしれないシムリアップ市を突っ切ってさあ、アンコールワットに向かう。並木の舗装はされているがでこぼこの道路がまっすぐにつづく。オートバイやら自転車が一緒になって道路のでこぼこを避けながら走る。ガイドブックにはアンコールワットに至る路に検問所があり２０米ドルとるとあるが、運転手は関係なさそうに突っ走って行く。検問なしはもう５時を廻っていたためらしい。