ヨーロッパ碁コングレスの旅 ２０1８（伊・ピサ）
１０．ヨーロッパ碁コングレスの旅 フィレンツェとシエナ、ミラノへ 次へ 前へ
フィレンツェとシエナそしてミラノへ
試合の中休みには、連れだってフィレンツェとシエナを日帰りで観光してきた。
ただ、杖はまだ突いていないが脊柱管狭窄で歩行がのろく一緒に行った人たちには迷惑をかけたように思う。
フィレンツェは昔、定年直後の旅行で家内と訪れたことがあり美術品の展示を見ながらベッキオ橋を通って高台で市内を一望した記憶はあるが、殆どは忘却の彼方である。ドォームの隣にあるエレベータのない高い塔にも
もう登れない。仲間が登って降りてくるまで下で待つしかない。フィレンツェは旅行さえ困難な時代に商取引と金融で財をなしたメディチ家がミケランジェロなど芸術家を保護したことでその美が集積されている街である。
シエナの市庁舎前カンポ広場にはエベントが終了した直後か大勢の人が集まっていた。
シエナは
フィレンツェと覇を競い合ったという世界遺産の街であるが、詳しくは知らない。
囲碁の試合が終わってからピサからジェノヴァ経由の海岸線列車でミラノに行った。
ミラノからピサに行ったときは内陸線である。途中雪をかぶったように白い山々が見えた。
カッラーラは大理石の一大産地である由。海岸線の景色は美しい。沿線のチンクエテッレとモンテロッソ
は世界遺産の村である。
翌日の報道で知ったが、列車がジェノヴァを通過した後間もなく線路を跨いでいた高架道路が崩落して不通になってしまった。幸いであった。ジェノヴァはマルコポーロが囚われて東方見聞録を記した地であり、東方貿易で栄えたと所であるが寄らずに通過した。
スマフォのSIMカードをピサで買ったのでパソコンに接続して列車の中でもインターネットが使える。
またスマフォのアプリで列車がどこを通過しているか位置がわかった。ジェノヴァまでの海岸線の風景を
地図を見ながら楽しめた。
ミラノでは宿をセントラルステーションの近くに取って二日間観光で回った。 囲碁大会参加の仲間もミラノ経由で帰国する人が多い。ミラノの大聖堂ﾄﾞオーム見学に並んでいたら、 先に並んでいた囲碁仲間が呼んでくれて割り込ませてくれた。おかげで一時間ほどの長い待ち行列をスキップできた。またドオームの屋根までエレベータで登り市内を見下ろすことができた。 今回の旅でミラノには三回目となる。一度目はまだ現役の三十代末の頃でなんのための旅だったかも思いだせない。海鮮料理店でイカ墨のスパゲッテイ・ネロを初めて食べた。その後現地在留の社員につれられてベニスにも行ってきた。二度目は家内と一緒の定年旅行で、このときにも食の思い出がある。ガッレリアのレストランで隣の人が食べている赤いソースの肉料理（多分オッソブッコ＝コラーゲンの多い子牛のすね肉）を指さしてウエイターに頼んだが、通じず隣が少し分けてくれた。しかし今回は食の思い出はなにもない。
