9.ブノンバケンの丘の夕日

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今度は外からアンコールワットを見る為に、アンコールトムとの中間に有る丘に向かう。ここから夕日に沈むアンコールワットが見えるはずである。丘の麓に象がいて旅行客を象の背に乗せるようである。どこに乗せてゆくのか知らないが。。





また麓には若い女性が地面一杯に広げて拓本を売っている。そこからかなり急斜面を這うようにしてのぼると、丘に上にたどり着く。丘の上にはやはり寺院の跡があるが、大勢の観光客がそこに三々五々たむろしている。みな日暮れ時を待っているのだ。此処から見るとアンコールワットははるか樹海に沈んで頂上がそこから突き出して島のように見える。アンコールトムは樹海の中で見えない。観光客に混じって物売りの子供も入れば僧も居る。
僧はただ石の遺跡に座ってアンコールワットをただ見ている。夕日は丘からアンコールワットと反対側の樹海に沈んで行く。このときアンコールワットの先頭が夕日の中で輝きを増す。ここでも別の日本人の団体観光客がいる。カメラを構えてこの大樹海にいらん日を撮影しようとしている。絞ってスローシャッタでないと到底写らないから三脚を用意して来たなどの仲間うちの会話を聞きながら、それでも私は三脚無しの素手で構える。





日が沈むと観光客も僧も物売りも引き上げる。登りとは別に緩やかな道がある。このゆるやかな道を下って行くと、象の糞が所々にある。象使いは観光客を乗せてこの道をくるのだ。丘の麓はさらに暗くなっている。タクシーで並木道をシムリアップに向かうと全ての人が同じ方向に引き上げて行く。オートバイも自転車もトラックも。。道の舗装がはがれた穴を避けながら。夜は現地の人で賑わう屋台と言うに近い食堂街で御飯と廻りに具を乗せたものを食べる。勿論ビールもだ。はるばる一人で来たことに乾杯して。

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