記事：囲碁の終局計算（中国流、日本流の原点）

ポンヌキゲームからの延長線で囲碁の数え方を考えてみました。ボード碁会所の初めの頃には終局計算も、上げ石（ハマ）の数の表示の機能もなかったため、最後はどう数えるんだ！との質問に添付したものです。
まずポンヌキゲームでは交互に打っていますから、終局したときに盤面に残った石の数の差で勝負が決まります。これはポン抜いた石の数の差を数えるのと同じことになります。囲碁も同様に交互に打っていれば終局したときに盤面に残っている石の数の差と、これから地に埋めることのできる数の差になります。こうすると上げ石の数の差は必ずしも数えなくてもいいことになります。式で表すと

Ａ：上げ石数の差＋地数の差＝残り石数の差＋地に埋められる石数の差
Ｂ：全部埋めたときの黒石数＋白石数＝１９ｘ１９

ということは、もし生きるための２目を残さずに地を埋めたら、次のようになり白か黒かいずれかを数えるだけでもすみます。これで、中国ルールの打ち上げた石は相手に返してしまうやり方でも勝負の計算ができることがわかります。終局でも石が取られないように2目残しておくやり方もあります。こうすると石の連結が断たれて多くの群に分けられているほうが２目ずつ損をすることになります。これが原始中国ルールで切っておいた方が得という切賃です。では次の日本流の石の数え方とどこが違うのでしょうか？

Ｃ：勝負の差＝打ち上げた石数の差＋地数の差

この式では、地の中に手入れをして石をいれたら損をしてしまいます。中国ルールでは地の中に手入れをしても差は変わりません。とはいっても終局前に手入れをすれば一手遅れますから、もちろん簡単に手入れはできません。しかし、もうダメつめしか残っていないときには中国ルールでは地に手入れを優先することができます。日本ルールでは地に不用意に手を入れれば一目地が減ってしまいます。これはゲームをより面白くするルールです。こうしてみると囲碁は日本ルールへと進化してきたことがわかります。なお、盤面に残っている石を数えるのも大変ですので、ボード碁会所も今では上げ石（ハマ）数表示も終局の地の計算もできるようにしています。

単純化した碁のルール「純碁」の解説もあわせてご覧下さい（「週刊碁」99年７−9月）。

次の一手：問題を解くにはタイトルをクリックしてください。
（文芸春秋２００２．１１）
出題：呉　清源 黒先：生死は？ 
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（文芸春秋２００３．２）
出題：呉　清源 黒先：白の生死は？ 
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（文芸春秋２００３．２）
出題：呉　清源 黒先：白の生死は？ 
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